migihanshin’s blog

半身不随だけれど 明るく しぶとく 生きていこう!

27 感謝を込めてリスペクト

27 感謝を込めてリスペクト

 

僕がこの施設の人々の話をするのは、おそらく初めてである。

そして、基本的にここの方々には、感謝の念しか基本にない。

 

大学の時、多摩市の老人介護の病院でアルバイトをした。

朝の8時から12時まで、おじいちゃんおばあちゃんをお風呂に入れてあげる仕事であった。この頃は、アルツハイマーと言う言葉が仕切りに使われ、アルミの鍋を使うとアルミが、脳に蓄積して、痴呆になるなんて言われた。

 

アルツハイマー病というのは、認知症の原因疾患の一つです。一方、認知症は病気ではなく、病気によって引き起こされる症状のことです。認知機能の低下により、社会生活や日常生活に支障を来した状態です。アルツハイマー病は、脳にアミロイドβというタンパク質の蓄積が原因で、認知機能の低下を引き起こす病気です。」

 

今日、もういい加減、病気の原因くらい分かっているのかと思っていたが、そうではないらしい。むしろ増加傾向ではある。現在65歳以上の認知症(昔は痴呆と言った)患者は、600万人。2025年には700万人、これは65歳以上の人の5人に1人が認知症であり、軽度認知症の人を合わせると65歳の人口の4分の1が認知症に悩んでいると言う事になる。しかも、65歳以下ならならないという事では無い。便宜上65歳で線が引いてあるが、何歳でも可能性はある。何年のデータかわからないが、⒊57万人の若年性認知症がいる訳である。

 

この痴呆症に加え、身体が麻痺してしまった人も多く、正に僕のと同じ状態になってしまった訳だ。ただ今は、リハビリが進歩し、麻痺の状態でベッドに寝たきりになる人は減っている様だ。僕もその頃なら、ベッドに寝たきりになっていたかもしれないが、こう言った患者の賞味期限と言うのがあり、少しでも早く身体は動かしておいた方がいいのだ。

僕がアルバイトしてた頃はそうゆう患者が多くて、僕らはそう言った患者さんをベッドに移したり、寝巻きを着せたり、脱がしたり、オシッコかけられたり、と言う飛んでもないアルバイトであった。3か月の更新でバイトをしていたと思うが、継続は無理だった。肉体と精神と、未来を考えた時の絶望感から逃げました。

 

今でも忘れないアルツハイマーのおばあちゃんがいて、彼女は1番いい部屋にいて、アルツハイマーも末期の方にあったようで、ベッドに寝たきりだった。この人のお見舞いにくる人は多くて、日に日に増え、その数を増し、何故かと聞くと、この人は多摩市聖蹟桜ヶ丘の駅前の土地が莫大な資産であると言う。それが、公示の彼女の価値である。

成る程。

しかしこの農業をしていたという可愛いおばあちゃんは、もう誰が来たのかわからないんじゃないか?こう言うと、遺産狙いで云々という話も出るが、この辺りで農業をしていた人達は多かれ少なかれ、このような最後を遂げられたのであろう。思えば、どのような最後が幸せな最後と言えるだろうか?

彼女の病室からは、聖蹟桜ヶ丘の街が一望出来た。

それでいいじゃないか?

 

僕はまさか、あの時アルバイトしていたような病院に入院するとは、しかもまさか、この若さでと思うこともあるのである。そしてこの先、何年か何十年か、後から僕と同じ年代の人、あるいは僕の友人が、なんらかの老人の病気でここに来て、私を思い出すにせよそうでないにせよ、私にトイレ🚽や風呂の事を聞いてくる事も想像した。

仏様、神様、私に今暫くのチャンスを下さい。

 

無条件のリスペクト、それは、

本当にしんどい仕事なのだ。直ぐに腰を痛める。

今僕等を介助してくれている人達は、20から50くらい。男性も女性も、満遍なくいる。僕等がアルバイトしていた病院とはやっていたことが、比較にならないほど多い。

この認知症のおじいちゃん、おばあちゃんを、朝起こしてあげて、女性なら頭のセットをしてあげて、ご飯を食べたらまた寝せて、昼ご飯にまた起こし、おやつの🍪15時にまた起こし、夕飯でまた起こし、歯を磨き、入れ歯をつけ、外し、寝せる。夜に認知症のおばあちゃんが大人しくしているわけもなく、夜勤なので小人数で、更に対応している訳で、何が文句があろうか?

彼らに何の非があろうか?

コロナの時はこれに感染リスクまで付いて来て、これだけやっても、認知症のおじいちゃんおばあちゃんからは何の礼も言われない。

人間は、話が分かって初めて感謝を伝えられる。でも、そのわからない人を介助しなくてはならない。あなたの会社の上司、同僚、部下、後輩がそうだったらどうであろう。絶望的な環境にあって、仕事をして行かなくてはいけない気持ちはどうだ。元気を貰いました……なんて甘い話ではない。

彼等がイライラしていると、時折とばっちりを受ける事もある。

その時は、相手にせず、じっと耐える。

人によって差があって、全くこういう怒りを表に出さない人もいる。その姿を思い出して、胸の中で祈る。

1番いいのは高倉健さんを思い浮かべる事だろう。

彼等の患者さんに対する苦労。

会社の中での苦労。

自分の家での苦労。

コロナの苦労。

今、朝6時、彼等と患者さんの会話が聞こえてくるが、

これらの苦労を思い浮かべれば、

如何に逃げ場の無い仕事かわかる筈で、

自分のような酒飲みだった者は、

感謝、

謝罪、

そして彼等が身体を壊さないよう、祈りばかりである。

 

怒るなら、森元首相を怒れ、善人を怒るな😤

生まれ変わったら、畜生道に落ちるに違いない。

 

次回は続き。

6道そして、患者さん自体の話。