おじいちゃん
おじいちゃんは、皆から疎まれていると、勘違いしているようだ。
おじいちゃんは、静かな部屋に居たいのに、鼾のうるさい隣の奴
に安眠を、妨害されているそうである。
お陰で、夜の睡眠だけでは飽きたらず、昼までカーテンを下ろし、
電気を消して寝なくてはならない。
食事も皆と一緒に食べられないので、部屋で、身体に悪いものを、
煎餅やら氷水やらを、摂取することしばしばで、
周りも心配しているが、年のせいか、人々を疑っている様子もあり、
なかなかお互いの壁を取り払う事が出来ない。
心配だ。
あの歳で、煎餅や、氷入りソーダは、やめた方がいい。
洗面も一人で使って良いし、
暗いうちから電気剃刀の音もしょうがない。
私が起きている間の、イビキの音は、無しと保証する、
少しくらい、部屋の領域を犯されても、目くじら立てないので、
どうか、いつまでもお元気で。
私らより遥かに、五体満足なのだから。