migihanshin’s blog

半身不随だけれど 明るく しぶとく 生きていこう!

黒の試走車 1962年 日本

黒の試走車 1962年 日本🇯🇵

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あらすじ

「ハイウェイを突ッ走る覆面車がカーブを切ったとたん、横転して炎に包まれた。翌日、自動車業界紙は、「タイガー試作車炎上、新車生産計画挫折か?」の記事を写真入りで報道した。タイガー自動車では、競争会社ヤマトに試作車パイオニアのテストが事前に洩れ、写真まで撮られたことが問題になった。今後の対策として小野田企画部長は朝比奈部員らと協議、スポーツ・カーのパイオニアを大衆車のように見せかける偽のデータを作り、敵方ヤマトを混乱させようと図った。……」eiga.com

 

○出演

 

田宮二郎

(アサヒナユタカ)

タイガー自動車の新作自動車、パイオニアの企画部部員。上司である高松(オノダ)が、本来の自動車開発を勧める姿を忘れ、企業の足の引っ張り合いにのめり込む。(アサヒナ)は、当初それに引っ張られ没頭する。そして、自分の愛人(とは言っても、結構アサヒナは、愛人と呼ぶには真剣である)叶(ウサミ)にスパイをさせる。この、上司と自分の信念の狭間に悩む感じ。田宮二郎が何故死んだのか?何故自殺したのか?この人のドラマの演じ方は、自分に対して嘘に嘘を重ねて行く人がいつか行き着く果てなのだろうか?

 

高松英郎

(オノダトオル)

如何にも、遣り手。如何にもさっぱりと鼻の下で、策を弄するタイプ。我々世代には学校の先生、担任の先生と言う感じのこの人。。何しろ、せっかくの新車パイオニアが、発表前に黒いマスクの掛かっている状態で、事故ってしまうのだからたまらない。しかし、彼は遣り手なので、落ち込む事を知らぬ。落ち込むのは、(アサヒナ)の役目。

 

○叶順子

(ウサミマサコ)

遊郭とか、クラブとか、カラオケとか、どちらが先か知らないが、男が女性を求めて遊びに行く所は、いつしか男が大事な仕事をする場所になり、そこで働く女性もいつしか、自分の境遇を諦めながら、「いつか」と夢見たり、「やっぱり」と心の中で泣いたり、意外な才能を発揮しこの世界を抜け出したりする。この(ウサミ)はこの映画の中で最も面白いキャラクターだ。

美人ではあるが、どこか幼い顔。男を信じていないようで、どこかで、期待している。最後には、自分の体を、見知らぬオッさんに預けてしまう。そう、セックスなんて、貞操なんて大したものじゃ無いわよ。と言いながら、どこかで隠れて泣いている女。

 

船越英二

(キミオ ヒラキ)

中堅自動車メーカー、タイガー自動車(魔法瓶見たいだが)は、彼の親が作った会社。そこの出来ない息子と言うのは、困った存在だ。軽くも扱えないし、重く扱う理由が、血縁しか無い。そんな男である。僕もそんな奴を何人か見た事がある。親は息子の事を何とかしようと思うのだが、やればやるほど、血縁が邪魔になる不思議な存在。増して、その規模が700人では無く、7000万人を超える国家ならどうする?

 

○総評

この映画は、あまり面白く無いし、あまり期待してはいけない。馬鹿にして言うんでは無い。日本の企業と言うのを描いたら、こんなものかな?と言う事である。自動車の開発競争を期待しない様に。あれは一部の、仕事を楽しんだ勝者の物語だ。何より、女性には叶順子、男性には田宮二郎、に注目である。

 

合掌