migihanshin’s blog

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煙突の見える場所 1953年 日本新東宝

煙突の見える場所 1953年 日本🇯🇵東宝

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椎名麟三の小説『無邪気な人々』を小國英雄が脚色、五所平之助が監督し映画化した。場所によって三本にも四本にも見える、通称“お化け煙突”がある北千住。足袋問屋の緒方隆吉は、戦争で夫が行方不明になってしまった弘子と、安い貸家で一緒に暮らしていた。弘子は競輪場の両替所で働いて貯金をしていたが、隆吉にはそれが面白くない。貸家の2階には、税務署で働く久保健三と、街頭放送所のアナウンサーである東仙子が下宿をしていた。ある日、緒方家の縁側に赤ん坊が置き去りにされていた。弘子の元夫である塚原のしわざらしい。隆吉と弘子は仕方なく赤ん坊の面倒を見ることになった。」allcinema

 

○所感

子供の頃、図書館に入り浸る束の間があった。その時、色々読んだ自動書籍の中に「お化け煙突」の話があって、心を捉えた。この映画がそうかなとは思ったのだけど、結構世知辛い話で多分違う。内容はどうしても思い出せないが、子供主体の内容だった。ただこの北千住の煙突が出て来る所は、似通っていたのか、或いはこの頃の東京の象徴的な建物で、その一点に於いて共通して居たのかもしれない。あの本は長いこと家にあった。あれを返さないのであれから図書館に行きにくくなったのだ。そんな事は誰にでもある事だろう。ないか?映画はちょっと寂しかった。煙突の風景ありきという映画である。

 

○監督:五所平之助

 

○原作:椎名麟三

 

○出演

○弘子:田中絹代

彼女の演じる中年の女性。黒澤明の映画にもよく出てくる。いい意味で、与えられた役を上手くこなす人なのだろう。ただ不思議なのは位置的に主演なのに主演に見えない、不思議な女性だ。

その頃よくいた戦争未亡人。旦那が未だ戦争から帰征せず、緒方隆吉:上原謙と、一緒に住んでいる。勿論それは、もう旦那のことは大抵諦めているのだが、緒方隆吉:上原謙との間に子供が出来ないのは何とも微妙な思いだろう。競輪の両替などしている。人は、そう簡単に自分の過去をたち切れるものではない。その思い出が、悪い思い出や評価の決まっていないものなら、尚更、頭を離れないものだ。そうゆうものだ。

 

○緒方隆吉:上原謙

彼は、上述の事からイライラしている。彼の家は借家で、更にそれを一部人に貸している。太鼓とラジオの両隣が煩い。太鼓、宗教だと天理教とかgooに出たがそうかな?僕も毎朝夕に、真言と般若心経を唱えているが、イライラしている人もいるだろう。彼に部屋を借りている久保健三:芥川比呂志が、税務署の官吏というのも面白い。そのニヒルな彼が懸想しているのが、東仙子:高峰秀子な訳だ。

 

二重結婚 、重婚

「配偶者のある者が重ねて婚姻をすること。民法上,重婚は禁止され (732条) ,これに違反した婚姻届は受理されない (740条) し,また誤って受理されても関係者の請求によって取消されることになっている (744条) 。刑法では重婚は犯罪とされ,処罰の対象とされる (184条) 。ただし,以上はいずれも法律上の正式の婚姻についていえることであり,事実上の婚姻についてはこの限りではない。ただ,重婚的な内縁関係の夫婦に対しては,普通の内縁の夫婦のような保護を与えないという考え方が強い。」Wiki

 

東仙子:高峰秀子

この人の出ている作品を何本か見たが、彼女の演技に問題はないのだが、何というか、映画の流れの中で飛び抜けており、シンドイ。街頭放送所の女アナウンサーという役どころも何処か現代風で突拍子がない。今の、CMと映画の問題に似ている。印象的な映画の一場面を作るのに高峰は最高の演技をするのだ。恰もCMの様に。

 

○顛末

子供の居ない家に、残酷にも子供を捨てたのは誰か?映画の焦点はそこに行く。でも、この葛藤には大きな畝りが無い。だからトマトを絞り切れず、2個となってしまう。あのヴィスコンティさえ、ブスケッタ3枚だ。厳しいのだ。

 

○煙突

あまりに寂しいので、煙突を調べてみた。昔、花小金井から文京区の千駄木の高校に通っており、この高校には、今回の映画の舞台、北千住にいる人が多かった。電車から、西武新宿線か、中央線で通学していたが、遠くに高い煙突が立っており、途中下車して見に行きたい衝動に駆られた。結局、一度も行かなかった。「お化け煙突」をWikiで集めて見た。まず、今回の煙突から。

 

「千住火力発電所(せんじゅかりょくはつでんしょ)は、かつて京都足立区に所在した東京電力火力発電所隅田川沿いに立地し1926年大正15年)から1963年昭和38年)までの間稼働していた。」Wiki

 

稼働時の千住火力発電所

(昭和20年代の撮影)

 

 

そして大阪。

 

春日出第一発電所(大同電力時代)

 

 

ポーランド

ポーランド🇵🇱煙突多い!

 

エキバストス第二発電所

カザフスタン🇰🇿

世界一高いお化け煙突

 

ホーマーシティ発電所

アメリ

東京二十三区清掃一部事務組合

豊島清掃工場

 

ついでに、

煙突の秘話①陰嚢ガンと煙突

 

イギリスなどの煙突掃除人たちの陰嚢付近にが多発しており、煙突掃除人癌と呼ばれていた。煙突に溜まったすすには発がん性あるため、陰嚢のしわの中にすすがたまってそこから腫瘍ができるものである。そのため「すす病」とも呼ばれていた。これを知った東京帝国大学山極勝三郎教授と大学院生の市川厚一は、石炭副生物であるコールタールを660日にもわたってウサギの耳に塗布する実験を行い、1915年に世界初の人為的な皮膚癌発症に成功した。」Wiki

 

陰嚢の皺からガン。興味あり。

 

煙突の秘話②煙突とヒトラー

ドイツでは、ヒトラーが政権をとった1930年代に「煙突掃除法」が制定された。これは「煙突掃除職人を生粋のドイツ人に限る」という内容で、各家庭が「ナチスに反抗的かどうか」の監視も兼ねていた。第二次世界大戦西ドイツでは条文が改正されて形式上は外国人も参入可能になったが、東西ドイツ統一後も煙突掃除業界によりドイツ国内が7888の「煙突掃除区」に区分され、事実上、各家庭が掃除を頼む時は地域の職人に依頼しなければいけない状態が続いていた。しかし、EUの圧力により2008年に法改正が行われ、既得権益が解体され、自由化が行われた(出典:MSN産経ニュース2008.11.19 18:54)。」Wiki

 

こうゆう事をコンプレックスの裏返しで考えるヒトラーに絶句。

 

やあ映画って本当に面白いですよね🤣投稿の7時まで後30分。

さよならさよならさよなら!

 

合掌