migihanshin’s blog

半身不随だけれど 明るく しぶとく 生きていこう!

犬笛 1978年 日本東宝三船プロダクション

犬笛 1978年 日本🇯🇵東宝三船プロダクション

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あらすじ

「かつて狩猟を趣味としていた秋津四郎は、ある日娘の良子を何者かに誘拐される。警察の捜査は進まず、犬にだけ聞こえる音を出すゴールトン・ホイッスル(犬笛)を持っていた良子の吹く笛の音を頼りに、鉄と共に捜索と報復の旅に出る。その途中で殺人事件の犯人の疑いをかけられ、警察の手から逃亡しながらの追跡となるが、長野から北海道山陰から日本海へと幾度も死地をくぐり、出会った人々に助けられながら日本全土を縦断し、巨大国際商社陰謀を暴きながら犯人を追い詰めて行く。」Wiki

 

○所感

西村寿行、華やかりし頃の映画。この様に、俳優陣を見てもフルラインアップ。誰が主演を張ってもおかしくない恐るべき駄作だ。なんだこれは?と叫んでしまうこと数度?どこかで見た、この無理矢理感。そう「黄金の犬」である。あの時は、原作者まで注目していなかったが、そうなると、

西村寿行ー犬ー徳間書店菅原文太などのワードが繋がって来る。似てる。あまりにも似てる。映画の出来が。西村寿行は、この一連の作品で長者番付一位になったという。レベルの高い日本映画界において、その頂点に立つ俳優三船敏朗さんのプロダクションにおいて作られたこの映画。昔の日本映画ってレベル高かったんだよね?と間違えても引用出来ない逸品です。

 

○製作:三船敏郎

 

○監督:中島貞夫

 

○原作:西村寿行徳間書店刊)

 

○音楽:小林亜星

 

○出演

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○秋津四郎:菅原文太

主人公である菅原文太は好きです。どんな役でも100%の力でぶつかっている感がある。「黄金の犬ではダンプの運ちゃんとして少しだけ登場し、それも破茶滅茶な役だったが、「犬笛」は、全面破茶滅茶状態で出演。

娘が誘拐され、その追跡の為に彼は仕事を辞め、しかも退職金を要求する。誘拐された娘は、何度となく警察の保護下に置かれ助けられそうになるのだが、その都度「様子を見ましょう」「泳がして置きます」などの恐怖の捜査方針が、北大路欣也や、警察から出て、子供はいつになっても救われない。お陰で、菅原文太の奥さんの酒井和歌子は気違いになってしまい、お医者さんを菅原文太と間違え、抱きついてしまう始末。「誤解しないでください」と医師は言いながら彼女のハグを満更でも無い様子。菅原文太も、だからどうと言う反応は無く、そうこうしているうちに娘はますます遠くへ行ってしまう。全編突っ込みどころ満載と言う意味では面白い映画だ。(ちょっとトマト増やしておこう。)

 

「犬笛(いぬぶえ)とは、イヌネコ訓練などに用いられるホイッスル)の一種。フランシス・ゴルトンが発明したことから、ゴールトン・ホイッスルとも呼ばれる。」Wiki

 

○秋津順子:酒井和歌子

菅原文太の奥さん。上述の様に気が狂い、最後には死んでしまう。黄金の犬」では、島田洋子がこれに似た役に当たる。

 

○娘良子

子役でキャリアが終わってしまったのかは不明であるが、イタリアンネオレアリズモの、ベリッシモも絶賛しかねない大根役者ぶり。体が曲がらないのだろうか?縫いぐるみみたいだ。犯人グループの三枝寛二:原田芳雄と、法眼規子:竹下景子の人質に対する方針が対立し、何度となく命の危機に晒され、日本縦断の旅に連れて行かれる。

 

アイヌ犬鉄

黄金の犬」でもそうだったが、この映画において如何に犬が唯一正気か。よく仕事もし足を怪我する。ゴールトン・ホイッスルで指示をする必要など何もない利口な犬だ。

 

○小西友永:北大路欣也

警察の特殊な部署の人。身分不明。彼の捜査に従い、どれだけ無駄な捜査費を使っているか知らない。

 

○三枝寛二:原田芳雄

今回の悪役。もっと「黄金の犬の地井武雄のような悪逆ぶりが見たかったが残念。この映画に出る事を内緒に🤫ってな演技である。背後にいる巨大国際商社は、現れない。

 

○法眼規子:竹下景子

さっぱりわからない彼女の立ち位置。基本的に人質の見張りである。なのに、犯人の善性に期待しますなんて事を言う。

 

後の出演者は上の写真で。もの凄いメンバー。皆脇役。

 

そして、御大三船敏朗さんは最後の方に登場する。

菅原文太のみならず、皆真面目に前向きに演技に徹している。それだけに、この映画は偉大なる失敗作に見える。ただ、「黄金の犬」と繋げて考えてみると、この作品は楽しみ方を持っている。これを冗談だと言うのなら、充分に楽しめる方向性を持っている。これを本気だと言うのなら、密かな楽しみを持っている映画。面白くない。だけど見るのを辞めましょうとは言わない。

 

合掌