migihanshin’s blog

半身不随だけれど 明るく しぶとく 生きていこう!

満員電車 1957年 日本 大映

 

満員電車 1957年 日本🇯🇵 大映

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声聞トマト

 

あらすじ

「茂呂井民雄は平和大学を卒業し駱駝麦酒株式会社に就職した。日本には我々が希望をもって坐れる席は空いてない。訳もなくはりきらなくては、というのが彼の持論。社員講習の日、一の関の高校の教師となって行く同窓の壱岐留奈に逢い二人は軽くキスして別れた。講習が済むと民雄は尼ヶ崎へ赴任した。そこで彼は同僚、更利満から「健康が第一、怠けず休まず働かず」というサラリーマンの原則をきかされる。ある日、故郷の父から母が発狂したと知らせてきた。…」映画.com

 

 

○監督 市川崑

○出演 川口浩, 笠智衆, 杉村春子

 

 

○映画のジャンル

風刺映画、日常の連続、満員電車、ビール工場、そして精神病院。

高度成長期の「ちょっと待て」的な映画。

 

○最後まで見たか?

見ました。

 

○ビックリしたか? 驚いたか?

川口浩私小説的なテンポの良い映画の流れは、当時、斬新だったのではないでしょうか?よく言えば、めげない、悪く言えばドライ。

ラクダビールが良かった。

 

○特筆すべき男優、女優はいたか?どのように?

川口浩の演技は、今の若手俳優に通じるものがあります。

笠智衆杉村春子の掛け合いは、見ごたえがありました。笠智衆は文芸映画においても、コメディ映画でも演技がぶれず、そこが監督に重宝されているのではと思いました。

川口浩の何人目かの恋人役で小野道子という、目の離れた愛嬌のある女優は、存在感があり、調べたところ、なんと長谷川一夫の娘さんでした。

 

○もう一度見たいか?

いいえ

 

○一緒に見て困る人はいるか?

いません。白黒の映画が面白いということを家の人に分かってもらいましょう。平成とか令和に?生まれた人に昔話をするチャンスです。

 

○印象に残るシーンは?

主人公の川口浩が常にめげないところです。この軸がぶれていないので、映画が暗くなりません。そういうシーンが多かったのです。

 

○監督については?

監督は巨匠市川崑です。大映映画、市川崑という組み合わせは白黒、カラーともに面白い映画、実験映画が多い。こんな虚無的な映画を撮った後に、東京オリンピックの映画を撮っているのですから、不思議です。

 

○仏教的にはどうか?

日常の連続、頑張ってもどうしようもない、などの虚無的キーワード。何十年先の未来までの、総収入試算。自分も含め、これを誤解し、脱線していく人も多かったのでしょうか?

日常の連続は人生の幸福であり、頑張って得られるものは、衆生の幸せであると理解しておけばよかったのですが。実際、この時の給料で試算しても、その後日本が発展し、賃金もどんどん上昇し、試算より多くなっていくのですから。

この映画は自分を失わないように警鐘をならしているのかもしれません。

 

☝

日常の連続に対して人間が変に臭さない。兎にも角にも、日本人として明るく前を見る。これが日本人の当たり前で居てなかなか出来ない特質かもしれない。「仕方ない」「やるしかないじゃないか?」みんなこれで来たのだ。そして、それから逃げ出したかったのが僕で、今日が来た。