migihanshin’s blog

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揺れる大地 1948年イタリア

揺れる大地  1948イタリア🇮🇹

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あらすじ

「『揺れる大地』は、1948年公開のイタリア映画である。監督はルキノ・ヴィスコンティ。モノクロ、スタンダード、160分。シチリア島の漁村を舞台に、漁民一家のたどる辛苦の日々をドキュメンタリータッチで描いた、ネオ・レアリズモの代表的作品。ウィキペディア

 

ネオレアリズモとは

1940年代から1950年代末にかけてイタリア文学・映画において支配的であった潮流、傾向を示すことば。字義的には「新しいリアリズム」の意。レジスタンス=解放戦争によってファシズムを倒し、君主制を廃止して共和国として生まれ変わったイタリアの「新しい現実」の芸術的表現がネオレアリズモであった。」コトバンク

 

監督ルキノ・ヴィスコンティ

 

最近

ネオレアリズモの映画に、魅力を感じている。1950年代あたりのイタリア映画。小説も含め新しい表現が「新しい現実」として表現されている。その歴史的背景は複雑な様で、1940年代においては未だ、ファシストからの反動的共産主義の中にあり、ルキノウィスコンティの表現もギリギリの表現が逆に洗練されて、美しくもある。嘘を書かず、誇張もしない。だがカメラの向けられた現実に我々は吸い込まれて行く。

 

出演(全てシチリアの漁民、俳優ではない)

ウントーニ:アントニオ・アルチディアコノ

ヴァラストロ一家の長男。

魚の仲買人の搾取に日々怒りを覚えている。そして、代々の家を担保にお金を借り、自らの手で現状を変えようとする。

鰯の塩漬けに全てを賭ける。

イタリア料理に鰯。アンチョビーか?

コーラ:ジュゼッペ・アルチディアコノ

ウントーニの弟。現状を変えようとするのはウントーニと一緒だが家を出て行く。

ヴァンニ:アントニオ・ミカーレ

アルフィオ:サルヴァトーレ・ヴィカーリ

弟達。この兄弟は見たところ、成人した男が上の2人。まだ未婚の女性が2名。ヴァンニ以降生まれたばかりの赤ん坊も含め全て7名が父母の子である。だが、その父は既に病気で死んでしまった。

祖父:ジョヴァンニ・グレコ

この祖父が家長であるが、既に息子に継承され、さらに孫のウントーニの権利となっているのか、或は祖父が孫の言いなりなのかよくわからない。

ドン・サルヴァトーレ:ロザリオ・ガルヴァーニ

地元の巡査部長。ウントーニの妹のルチアを愛人にする。

ウントーニの妹1 、真面目な娘。敬虔なクリスチャン。

ウントーニの妹2、派手を好む女。巡査部長の露骨な金による誘惑に負ける。

この時出たのが妹1のあのセリフ。

「貧乏なんだから名誉を大切にしないと」

貧乏だからこそ、子供の人生を売るもんじゃないって言ってるんだ。分かった?この妹は自分で判断したわけであるが、生まれた時から親が判断していたとしたら、その子の名誉はどうなる?

末っ子(赤ん坊)

この悲惨な状況。

服は継ぎ当てだらけ。彼らの貧しさは、「自転車泥棒」でもそうだったが、真実なのだ。お金があれば彼等若者の人生を金持ちは自由にできる。でも、この赤ん坊を見よ!これがシチリアの希望だ。イタリア半島のサッカーボールを蹴った爪先にシチリアはある。貧しさが暴力を生み、マフィアを生んだ。でも、このでっぷりと太り笑う赤ん坊の清清しさを見よ。この映像の中で、存在感が突出している。ネオレアリズモである。

 

○1960年製作の「太陽がいっぱい」というアランドロン主演の映画がある。そう、太陽なのだ。イタリア映画の魅力は、この国の太陽と人々なのだ。

ただ、他の映画に比べ、怒りというかそういう激しさがなかった。共産党の統制の所為だからだろうか?

冷静なカメラワーク、それは常に見る側の気持ちを掻き立てる。