migihanshin’s blog

半身不随だけれど 明るく しぶとく 生きていこう!

15時17分パリ行き2018年アメリカ

1517パリ行き2018アメリ🇺🇸

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あらすじ

2015年夏。554人を乗せてパリに向かっていた高速鉄道が、無差別殺人の舞台となった。そして当時、列車に乗りあわせていたヨーロッパ旅行中のアメリカ人の3人組。ごく普通の青年に過ぎなかった彼らは、危険を承知で武装した犯人に立ち向かう。」Google

 

監督:クリント・イーストウッド

 

この映画で重要な視点は、出演者である。3人のアメリカの若者は、このパリで起きたテロ事件に偶然乗り合わせていた普通の若者であった。この映画は当初、3人の職業俳優を当てる予定だったが、クリントイーストウッドの考えで、事件に関わった本人3人が出演した。何故、この映画に限って、本人に拘らなければならなかったのだろう。それは「ごく普通の人々に捧げた物語」であると言うクリントイーストウッドの考えであった。映画を観終わるまで、そんな事には気が付かなかったが成る程、それで、映画終盤まで彼ら3人がのんびりヨーロッパ旅行をしている姿が延々と撮られている理由が分かった。むしろ、彼らの子供の時代がこの子はどんな子だったかなあとフィードバックする仕組みになっている。

 

スペンサー・ストーン  (スペンサー・ストーン)男

アレク・スカラトス  (アレック・スカラトス  )男

アンソニー・サドラー  (アンソニー・サドラー  )男

 

そうゆう意味では、この映画は実験的な要素が強い。このレビューでも何度か不満を書いているが、「この映画は〜事件にインスピレーションを得て云々」「実際にあった事件に影響を受け云々」そうゆう純粋に映画を楽しみたい人間にとって、雑音に過ぎない要素はなるべく排除したい。私は、この映画が終わった時点で初めてクリントイーストウッドの作品だと知った。殺人なのか、テロなのか、恋愛なのかなんだかわからない。なんかなあ、この映画変だなあ、と言う違和感、何の映画だかわからないのに、心ならず最後まで付き合ってしまうこの体験。いつも思うのはクリントイーストウッドの持っている映画を作る卓越した腕だ。写経のような落ち着きだ。

やっぱり映画はその前情報をあまり持っていない方が良い気がする。

ただ、この映画はそうゆう実験的要素があり、感動とまでは行かなかったのは残念だ。ただ一点、この少し前にヨーロッパに行った者の感想として、「今のヨーロッパって、こんなに綺麗か?」と言う疑問である。少なくともドイツだけでは無いはずだが、それが描かれていないのは不満だ。ヨーロッパの移民問題はつまりは、彼ら自身が作った植民地時代が今輪廻して帰ってきたことで、ヨーロッパは何を犠牲に豊かさを謳歌して来たのか、と言う事だ。クリントイーストウッドはメキシコの移民の問題を以前にやっており、ヨーロッパに関しても、その視点が(ストーリーがブレるのが嫌だったのかも知れないが)欲しかった。だって、主人公の彼らはこれだけ色々なヨーロッパを旅行した。移民の屯している街を見ていない訳が無い。