遠い夜明け 1987年 イギリス
監督: リチャード・アッテンボロー
テーマ: 南アフリカの黒人差別
あらすじ
「一貫してヒューマニズムを追求し続けるイギリスの巨匠リチャード・アッテンボロー監督が、製作当時も続いていた南アフリカ共和国の人種隔離政策問題「アパルトヘイト」に、さまざまな迫害をものともせず真っ向から取り組んだ大力作。南アの新聞社編集長のドナルド・ウッズ(ケビン・クライン)は、黒人運動家スティーヴン・ピコ(デンゼル・ワシントン)と交流を持つようになり、反アパルトヘイトの意識に目覚めるが、やがてピコは投獄され、拷問の末に帰らぬ人となる。権力の矛先が自分にも向けられていると察したウッズは、家族を連れて南アからの脱出を図る…。
とてつもない社会性を背景にした前半の友情劇と後半の脱出劇のバランスが素晴らしく、単なるメッセージ映画ではなく見事にドラマティックな映画として成立しているところに、巨匠の意気込みを感じる。エンド・クレジットでアパルトヘイトのために死亡した人々の名が連なっていくあたりも、人が人にもたらす差別という名の恐怖を痛感させる。(的田也寸志)」アマゾン
○デンゼル・ワシントン (スティーヴ・ビコ )男
主人公。
この人が中心の前半と、ドナルドウッズ中心の後半に大きく別れる。何故なら、ネタバレでも何でもなく、ビコは南アフリカ警察に殺されてしまうからだ。思うに、ビコの伝説を作る為に前半があったという見方も出来る。そう言う意味では、デンゼルワシントンは手堅い演技をしている。この人の、演技の特徴は乱れないこと。それが、前半を支えている。そして、南アフリカのその時の黒人の状況を冷静に、描き、エンターテイメント性もある。サッカーの試合に似せて集会を行うシーンは、秀逸。
○ケヴィン・クライン (ドナルド・ウッズ )男
リチャードアッテンボローは、あのジュラシックパークのおじさんだったのだ。イギリスの偉大な監督。ただ、この映画が面白いかと言われると?がついてしまう。南アフリカの黒人と白人の葛藤が、これだけの大作にも関わらず、最後のスーパーでまとめてしまうのは、この大監督も持て余したようだ。むしろ、前半の方が出来が良い。ドナルドウッズという人は良く見るがクールな家庭のパパ。この人の英雄的行為が、どのようにアパルトヘイト廃絶に貢献したのだろうか?
○ペネロープ・ウィルトン
(ウェンディー・ウッズ )女
ドナルドウッズの奥さん。
偉大な戦いが、どんどん、小さくなっていく、白人優先映画の悪い癖。
○ジョゼッテ・サイモン (Dr. Ramphele)女
スティーブビコの奥さんではない?
分からなかった。
○ケヴィン・マクナリー (ケン)男
ドナルドウッズの仲間。
○今ひとつ盛り上がりにかける。7月4日に生まれての方がよほど激しかった。
「アパルトヘイト(アフリカーンス語: Apartheid)は、アフリカーンス語で「分離、隔離」を意味する言葉で、南アフリカ共和国における白人と非白人[注 1]の諸関係を規定する人種隔離政策のことを指す。
かねてから数々の人種差別的立法のあった南アフリカにおいて1948年に法制として確立され、以後強力に推進されたが、1994年全人種による初の総選挙が行われ、この制度は撤廃された。」Wiki
思えば、僕の子供の頃は、まだアパルトヘイトの時代で社会の教科書に載っていた。電話ボックスが、白人、黒人で分かれている写真だった。
○日本人の扱いは、名誉白人。
「アジアにおいて唯一の先進国である日本人は1961年以降、経済上の都合から名誉白人扱いとされていた[4]。ただし、白人専用のホテル・レストランなどの使用が認められたに過ぎず、基本的に一時滞在者としての扱いに限られ、永住権や不動産取得などは認められなかった。また、日本人が白人と性交渉をおこなった場合は背徳法が適用された[5]。日本は1980年代後半から最大の貿易相手国になる。」Wiki
ここにもt社のアフリカの生産拠点がある。商売は、善性悪性を問わず、ということか?
○そう、そうなのだ。
何故、アフリカの遠い隅っこの国が、これだけの差別政策をやれたか?
それこそは、商売というお金が獲得した善性なのだ。
「当時の世界経済の背景には、当時冷戦下における西側諸国は、南アフリカ共和国がレアメタルの独占的産出国であり、南アフリカ共和国からこれら資源を輸入しなくては、敵国ソ連から輸入せざるを得ない状況であった。それ故にアパルトヘイト政策を非難する経済制裁を発することが出来ず、南アフリカ政府はアパルトヘイト政策を継続できた。ところが冷戦終結により旧東側諸国からのレアメタルの資源供給が容易になり、南アフリカ共和国の国際社会での立場が弱まり、欧米などから経済制裁を受けたことがアパルトヘイト撤廃に繋がっていった。」Wiki
全ての悪性は、お金に置き換えられて善性を得て、存在を認められるという事だ。淋しい。